「それってあなたの感想ですよね?」「はい、論破~!」……ネットで流行るこうした言い回しをマネして相手を言い負かそうとする小中学生の子どもたちが増え、先生や親を困らせているという。しかし、こうした見せかけの論破やマウント取りは、子どものコミュニケーションや人間関係に悪影響を与えると指摘するのは、『マンガ 頭のいい子が使う 伝わる!説明力』著者の犬塚壮志氏だ。本記事では、子どもに身に付けてほしい本当の対話や交渉のノウハウを、分かりやすくマンガで解説。子どもだけでなく、大人にも役に立つ“説明の型”を紹介する。(大学受験専門塾「ワークショップ」情報科講師/株式会社士教育代表取締役 犬塚壮志)
コミュニケーションに必要なのは
ロジカルで分かりやすい伝え方
コミュニケーションの本質とは、“相手と良好な関係性を築き、その関係性を維持・発展させること”だと私は考えています。「あなたの感想ですよね?」や「はい、論破!」といった、自分が相手よりも優位に立とうとする姿勢や話し方は、一瞬相手を言い負かしたと思うかもしれませんが、最終的には話し手自身の価値や印象を下げる結果になってしまうのです。
子どもの場合、学級会をスムーズに進行したり、発表授業で調べたことをみんなに説明したりと、大勢の前で話す機会は意外と多いものです。そのような場面で必要なのは、自分の言いたいことをロジカルに、かつ分かりやすく相手に伝えるためのスキルではないでしょうか。
私は、大学受験の予備校講師という仕事を通して生徒たちと向き合いながら、伝え方や説明のスキルを鍛え上げてきました。そうして学んだノウハウから、即効性のある40パターンの“説明の型”をピックアップして、マンガにしたのが『マンガ 頭のいい子が使う 伝わる!説明力』です。
ここでは本書から、どんな場面でも使える基本となる“型”と、プレゼンや発表授業で聞き手を飽きさせないための便利な“型”をマンガで紹介します。