受験生が知りたい基本のき 3
「大学名のわりに低偏差値の学科はお得?」
ブランド大なのにそこだけ入試が簡単な学部・学科というのも、いくつかある。ウルトラ合理主義な受験生は、「どうせどの学問にも興味はないのだから、そういう学科に行けばいいかも」と考えるかもしれない。
それもひとつの大学の利用法には違いないが……。
願書を提出する前にもう一度考え直してもらいたい点がひとつ。「そうした学科の勉強内容は、たいてい特殊性が強い。いくら単位取りが楽だとしても、卒業するまでにはその特殊な学問領域の専門書を何冊も読み、その特殊な学問好きの学友たちと机を共にしなければならない。4年間、それでいいですか?」。
途中で他の学部や学科に転入すればいいや、という考えも甘いだろう。まったく肌の合わない学部・学科に入学してしまった学生の多くは、講義にも出なくなる。学部・学科転入では学内成績が厳しく審査される。結局は、他に移りたくても叶わず、そのままずるずると留年を重ねてしまう失敗例はいくらでもある。
裏道は表の大通りよりも、たいてい歩きづらいものなのだ。
(本コラムは、「大学図鑑!2014」からの抜粋です)
次回は4月10日更新予定です。
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