「眠れない人にしかわからないことは?」で出てくる異様に絶妙な言い回しは…。
そう語るのは、これまでX(旧Twitter)上で8年間365日、毎日欠かさず大喜利のお題を出題し、著書『大喜利の考え方』を刊行した「坊主」氏だ。いまや空前の「大喜利ブーム」。大喜利のように「斜め上の発想を出す」というスキルは、「面接での一言」「LINEでのうまい返し」「意中の相手を口説く言葉」「新企画のアイデア」などに使える“万能スキル”でもある。そんな大喜利について、世界で初めて思考法をまとめた話題の著書『大喜利の考え方』では、「どんな角度で物事を見ればいいのか」などを超わかりやすく伝えてくれている。まさに「面白い人の頭の中」が丸わかり。そこで、この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、大喜利的な思考法を詳しく解説する。(構成/種岡 健)
人間としての「体験」
世の中から真面目すぎておもしろくない返しが消え、個性的で独特な発想がひとつでも増えることを心から願ってやみません。
AI時代に、人間にしか生み出せないものがあります。
それが、「体験」です。
〈お題〉
「眠れない人にしかわからないことは?」選手権
〈回答〉
とうとう新聞配達をするバイクのエンジン音が聞こえたときの絶望感
有効なのが、「ひとりマジカルバナナ」です。
「バナナといったら、黄色」
「黄色といったら、レモン」
「レモンといったら、ザテレビジョン」……
というように、言葉から連想するものをつなげていくゲームです。
「眠れない人」というキーワードから連想するものをどんどん出しましょう。
とにかく素材の「数を出す」ということです。
そうしていくうちに、自分自身の「体験」が出てくると思います。
「ひとりマジカルバナナ」をして言葉が出てきて、それを見ているうちに「そういえば……」とエピソード(体験)が出てくる。
「眠れない」というキーワードから「朝を迎える」「目が冴える」などのキーワードが出てきて、「あのバイクの音」を思い出す。
このように、音・におい・触感などが加わると、人間らしい体験になってきます。
それを聞くだけで相手と体験が共有できますし、お互いの距離も縮まりますね。
まさに人間らしさの極みだと思います。
(本稿は、『大喜利の考え方』から一部抜粋した内容です。)
日本一の大喜利アカウント
X(旧Twitter)は、2024年1月現在で190万フォロワーを突破。元々、「2ちゃんねる」が大好きで、「匿名で面白い回答をする人がたくさんいる!」ということに衝撃を受け、Xでお題を出し続ける。これまで8年間365日、毎日欠かさず大喜利のお題を出題。累計で2万以上のお題を出し、数百万以上の回答を見てきた。昼は僧侶として働く、正真正銘の「お坊さん」でもある。また、都内に「虚無僧バー」「スジャータ」というBARを2軒経営しており、誰でも1日店長ができる店として、さまざまな有名人やインフルエンサーなどに店長を任せている。BARの名前の由来も仏教からとられている。『大喜利の考え方』(ダイヤモンド社)が初の著書。