リスクをおそれるものは
利益をかすめとられてしまう

 株式には資産の形成をスピードアップさせる要因がいくつか組み込まれている。これからの時代に効率よく資産を作るためには、株式と上手く関わることが必要だ。

 手短かに言うと、株式性の報酬を利用することに成功した者は、広い範囲の労働者から利益をピンハネできる「会社」の一部を権利として持つ。そして、その権利は、成長性まで含めて、さらに将来分までまとめて評価された価値を「今」手に入れることができる手段でもある。だから、短期間に、大きな資産を手に入れることができる。株式の性質については、後で詳しく説明するが、これ以外にも株式には効率良くお金を作りやすい性質がある。

 株式の利用方法を知っている方が断然得なのだ。

 加えて、今や、お金持ちになるために目指すべき方向性は、旧来型の「リスクを取らずに堅実にポイントを積み重ねる」から、「適度にリスクを取って、早く大きなリターンを得ることを目指す」に、180度変わった。これは、ベンチャーの起業に参加するような場合だけでなく、ストックオプションをくれるような会社で働く場合の心構えについても言えることだ。

 適切なリスクを取り続けることと、他人とちがう労働力になる工夫が必要なのだ。「リスクを取らずに、他人と同じように働きたい」という希望を持つと、不利な側へ、不利な側へと経済的な重力が働く。

 経済の世界は、リスクを取ってもいいと思う人が、リスクを取りたくない人から、利益をかすめ取るようにできている。このことが、今はよりはっきりと表れつつあり、現在、その気づきの効果が大きい。広く学生に言いたい。周囲と同じ「就活」(就職活動)を行って何十枚もエントリーシートを書き、仮に首尾良くまあまあの大企業に就職できたとしても、それは人生のゴールにはほど遠いし、職業人生の魅力的なスタート地点ですらない可能性が大きい。