山崎元さん1月1日に亡くなった経済評論家の山崎元さん(21年3月撮影) Photo by Yoshihisa Wada

ダイヤモンド・オンラインで連載『山崎元のマルチスコープ』を毎週執筆してくださっていた経済評論家の山崎元さんが、1月1日に食道がんで亡くなりました。65歳でした。山崎さんは、2007年から15年以上にわたって同連載を執筆。投資家や一般読者の目線に立った、金融業界の“不都合な真実”に鋭く切り込む資産運用に関する記事を中心に、幅広いテーマで世の中に情報発信や問題提起をしてくださいました。そんな山崎さんに哀悼の意を表し、同連載と動画連載『【山崎元×馬渕磨理子】マルチスコープ』の中から「これぞヤマゲン節」と思える代表記事をピックアップし、ご紹介したいと思います。有料会員限定の記事を含めて、1月中の期間限定で全ての読者に向けて公開します。山崎さんが遺したメッセージを一人でも多くの人に届けられればと思います。

新NISA「やってはいけないこと」「すべきこと」最後の総点検

写真:新NISAのイメージPhoto:PIXTA

 この記事は、山崎さんが亡くなる直前である2023年の末に書かれたものです。「新NISA」がいよいよ24年からスタートすることを受けて、新NISAを活用する上で「やってはいけないこと」と「すべきこと」について、最後の総点検をしようという記事で、多くの読者に読んでいただきました。

 もちろん、新NISAがスタートした今読んでも役に立つことばかりです。山崎さんが説いた「新NISA活用術の四大原則」をぜひご覧ください。

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新NISAは「全世界株式インデックス」に投資せよ、成長投資枠には要注意【山崎元×馬渕磨理子・動画】

 動画連載『【山崎元×馬渕磨理子】マルチスコープ』でも、山崎さんは新NISAについて解説しています。動画の中で山崎さんは、新NISAの「成長投資枠」について「怪しい」と言及。その理由とは?

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投資の3大原則は「長期・分散・低コスト」、投資信託の“99%はクズ”といえる理由【山崎元×馬渕磨理子・動画】

「投資信託の99%は最初から検討に値しないクズですよ」――。山崎さんといえば、金融業界に長く身を置きながら、金融業界の“不都合な真実”を一刀両断し続けてきました。そして、そんな「ヤマゲン節」には多くのファンがいました。こちらの動画記事では、その真骨頂を目撃することができます。

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新社会人が絶対に手を出してはいけない「マネー3悪商品」

【追悼・山崎元さん】金融の「不都合な真実」に切り込み続けた経済評論家が遺したもの

 こちらの記事でも、「オトナ同士がマネーをやり取りする「世間」とは(中略)はっきり言って、汚い」とバッサリ切り捨てつつ、新社会人に向けて「マネー3悪商品」に手を出さないように注意喚起しています。

 新社会人のみならず、大変多くの読者に読んでいただいた記事です。2018年4月の記事ですが、そのエッセンスは今読み返しても色あせることはありません。

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癌になって思う「がん保険は、やっぱり不要だ」

がん保険のイメージ写真Photo:PIXTA

 こちらも「ヤマゲン節」が冴えわたる記事で、特に大きな反響があったものです。癌の罹患を公表した山崎さんの元には、がん保険に関する質問が多数寄せられたといいます。山崎さんは記事の中で「『がん保険は要らない』と言っていた人物が、実際に癌になってどう感じたか興味を持たれたのだろう」と考察しています。

 そして記事の中では「仮に筆者が30代、40代の時分に戻って、将来癌にかかるかどうか分からない時点でがん保険の加入について検討するなら、『がん保険には入らない』という結論を、自信を持って出すはずだ」と断言。「そして、この種の架空の状況の繰り返しが何度も可能であるとすれば、何度でもそうするだろう」と続けています。

 山崎さんが実際に癌になっても「がん保険は、やっぱり不要だ」と言い切る理由とは何なのでしょうか。記事の中で山崎さんが徹底解説しています。

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がん保険は「やっぱり不要」、先進医療特約で買う“安心”には要注意!【山崎元×馬渕磨理子・動画】

 山崎さんは、動画記事の中でも「がん保険は、やっぱり不要だ」と断言。また、がん保険の目玉の一つでもある先進医療特約で「安心」を買うことについても警鐘を鳴らしています。

 さらに、「必要な保険とは何か?」の正しい見極め方についても伝授してくれています。

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「墓なし・坊主なし」の弔いをやってわかったこと

【追悼・山崎元さん】金融の「不都合な真実」に切り込み続けた経済評論家が遺したもの

 山崎さんの死去に当たって、故人の遺志で通夜・葬儀は行わず、近親者のみでお見送りしたそうです。そんな山崎さんの死生観に小さくない影響を与えたと思われるのが、2016年に山崎さんのご尊父が亡くなった際の「墓なし・坊主なし」の弔いです。16年当時は今よりもさらに珍しかったこともあり、多くの読者に読まれました。

「近年、お墓やお葬式の方法、さらにはお寺との付き合いになどに悩む人が多く、相談を受けることもあるので、読者の参考になればと思い、以下、札幌の我が家の弔いの様子を書く」と、山崎さんは記事の中で執筆に至った思いを明かしています。葬儀の小規模化が進み、コロナ禍を経て近親者のみの葬儀も増えましたが、当時の山崎さんの経験や気付きは、これから読む読者でも参考になることが多いでしょう。

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山崎元、最後に贈る「ウィスキー」ガイド

写真:日本のウィスキーPhoto:PIXTA

 大変残念ながら、こちらの記事が連載『山崎元のマルチスコープ』の最後の記事となってしまいました。ウィスキーをこよなく愛した山崎さんならではといえるのではないでしょうか。

 この記事は、「本稿は、ウィスキーの飲み方、楽しみ方を説明するための、全国の酒友にお送りする、筆者のたぶん最後のウィスキーの飲み方ガイドである」いう書き出しで始まります。ウィスキーの飲み方ガイドが最後だったとしても、連載はまだまだ続くと思っていた矢先の訃報でした。

 山崎さんのご冥福を心よりお祈りいたします。

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