米AI人材の獲得競争が過熱、年収1億円や大量引き抜きもEMIL LENDOF/THE WALL STREET JOURNAL

 人工知能(AI)ブームを背景に、米シリコンバレーの人材獲得競争は過熱の一途をたどっている。

 テクノロジー企業は年100万ドル(約1億5000万円)の報酬を提示したり、株式報酬の権利確定を早めたりしている。エンジニアを所属チームごと引き抜く動きもある。狙いは、「チャットGPT」を始めとするチャットボット(自動会話プログラム)に搭載されるような、生成AIに関する専門知識と経験を持つ人材の獲得だ。企業間の争いは激しく、業界大手を抜いて第一線に立とうとするスタートアップ企業も競争に加わる。

 こうした動きは、桁外れの報酬や従業員特典で知られるこの業界の従来の基準と比べても、際立っている。業界を取り巻く環境を考えても、AI人材の不足は注目に値する。テック関連の他分野では人員削減が続き、企業はAI技術開発のコストが膨らむ中で投資を強化しようと、経営資源の再配分に取り組んでいる。