米アップルは先日、電気自動車(EV)の開発という数十年にわたる取り組みを後退させた。だが、同社とスマートフォン市場で競合する中国企業はアクセルを踏み込んでいる。これは中国の高級EV市場の再編につながる可能性があり、その波はいずれ世界全体に広がるかもしれない。新規参入企業の中には、すでに知名度が高く、適正価格で高品質との評価を得ている手ごわい企業もある。短期的には、大手EVメーカーの利幅を削る価格競争にさらに拍車がかかるだろう。そして、中国のスマホ大手、小米(シャオミ)の第1号EVは好調なスタートを切った。同社は3月28日にセダン「SU7」を発売してから最初の24時間で約9万件の返金可能な注文を受けた。SU7は多くの自動車評論家が即座に指摘したように、ドイツの高級スポーツカーメーカー、ポルシェの「タイカン」に酷似している。しかし、デザインに独自性がないことを気にしなければ、魅力的な価格で手に入れることができる。SU7は約3万ドル(約454万円)からで、米EV大手テスラの小型車「モデル3」の中国での販売価格よりも約4000ドル安い。