クレイグ・ボリガードさん(33)とジュリア・エドワーズさん(29)は昨年12月に米会員制スーパーのコストコで食料品の買い物をしていたときに、見逃せないお買い得品を見つけた。1オンス(28グラム)のゴールドバー(金の延べ棒)だ。小売価格は2069ドル(約31万4000円)で、ボリガードさんが携帯電話を使って調べた結果、市場の実勢価格よりも3ドル安いことが分かった。その金の延べ棒は辰(たつ)年の特別版でもあり、6月に予定する2人の結婚式を前にした縁起の良い記念品になると思った。彼らは延べ棒を3キロの冷凍チキンと「カークランド」ブランドの卵1カートンと一緒にショッピングカートに放り込んだ。米国人の間で金(ゴールド)の需要が高まっている。会員制の倉庫型量販店チェーンを展開するコストコが昨年、オンラインと一部の実店舗で金の延べ棒を販売し始めたときには、数時間で売り切れた。米ギャラップの調査では、消費者は2023年に金は株式や投資信託よりも優れた投資先とみなした。これは10年ぶりのことだった。足元で金価格は過去最高値の更新が続く。