2007年、筆者はバージニア州クワンティコの野原に立ち、マイクロ波兵器の照射に備えて心の準備をしていた。目に見えないビームのスイッチが入って最初に感じたのは、事前に言われていた燃えるような熱さではなく、ほんのりとした暖かさだった。マイクロ波兵器は大きくて騒々しい装置で、軍用車に積まれていた。始動するのに何時間もかかり、総じて安定性に欠けていた。筆者はその日、米国防総省のデモンストレーションの最中に、自ら申し出てマイクロ波の照射を受けたのだが、結局、兵器はぬれた状態ではきちんと動かなかった。湿気でマイクロ波ビームが減衰したからだ。