「できることをやっていく」私の人生を変えた習慣

 絶望して寝たままでは、何も変わらないということを。幸いにも病気は初期段階で、できることはまだまだたくさんあったのです。

「こんなことじゃダメになる」。そう思い直してベッドから起き上がって1日を過ごし、さらに1ヵ月、そしてまた1ヵ月。そうやって今日まで生きてきました。健康管理を第一にしてきたおかげか、まだ認知症の症状も現れておらず、思考力にも問題がなく、うつ症状も軽微で済んでいます。当然、体の状態は悪化の一途ではあるものの、その進行もゆるやかなほうで、こうして本も書けています。

 もしあの時、ベッドに横たわったまま、病気と人生を恨みながら過ごしていたならどうなっていたでしょうか。

 きっとすぐに体がこわばり不自由になったでしょうし、認知症も進み、うつ病の沼にもはまってうつろな日々を送っていたことでしょう。何より、私自身、この場に存在していなかったかもしれません。

突然の不幸を避ける方法はない。だからこそ

 生きていれば想像もできない不幸に見舞われることもあります。

 その運命を避ける方法は残念ながらありません。しかし、もしそうなってしまった時、その後の時間をどう過ごすかは、自分の心持ちひとつにかかっています。私の過ごした歳月がまるで違う結果を運んできたように。これこそが、私がパーキンソン病だと診断されたことで得た、人生の真理です。

(本原稿は『もし私が人生をやり直せたら』から一部抜粋、追加編集したものです)