【42歳でパーキンソン病】絶望した私を救った“シンプルな習慣”
42歳でパーキンソン病に侵された精神科医のエッセイが、韓国で売れに売れている。『もし私が人生をやり直せたら』という本だ。「自分をもっと褒めてあげようと思った」「人生に疲れ、温かいアドバイスが欲しいときに読みたい」「限られた時間を、もっと大切にしたい」と共感・絶賛の声が相次ぎ、35万部以上売れているという。
そんなベストセラーエッセイの邦訳が、ついに刊行される。男女問わず、多くの人から共感・絶賛を集める本書の内容とは、いったいどのようなものなのか? 本書の日本語版から抜粋する形で、「人生の限りある時間」の過ごし方について書かれた項目を紹介していく。

【42歳でパーキンソン病】絶望した私を救った“シンプルな習慣”Photo: Adobe Stock

「もう死んだほうがまし」絶望した日を過ごす

 2001年、私は42歳でパーキンソン病の診断を下されました。

 パーキンソン病とは、手足が震え、筋肉がこわばって体が硬直していくといった症状が見られる神経変性疾患です。

 ゆくゆくは、歩行や発話が困難になるほか、字を書くことや表情を浮かべることもままならなくなるとされています。パーキンソン病の症状について、ロープできつく縛られたまま動けと言われているようだと形容した人がいるくらいです。

「人生これから!」そんなタイミングでなぜ?

 医師という仕事柄、この病について熟知してはいましたが、パーキンソン病にはいまだこれといった治療法がありません。ただ投薬で病気の進行を遅らせるだけです。そんな病が私に訪れるなんて……。難産の末に生まれた子どもたちの子育ても一段落し、ようやくこれからという時。どうしてこのタイミングなんだろう?

 納得もできなければ、現実を受け止めることもできない。ただ運命を恨むだけです。そのうち、気持ちがどんどん行き詰まっていき、このまま死んだほうがましだとすら思うようになっていました。それほど思いつめていた時でした。急に我に返ったのです。