チャニング・メイヤー海尉は米沿岸警備隊のカッター(短艇)「ハリエット・レーン」のブリッジに立ち、40年前に建造された全長約82メートルのこの船のどこが新しくなったかを列挙した。機関砲、発電機、電子航法システム、インターネット環境。ハリエット・レーンはこの時、オーストラリア北部の都市ケアンズの海軍基地に停泊していた。メイヤー氏は船内に移動すると、「まるで昨日新造されたかのように走る」と語った。「それよりいいくらいだ」沿岸警備隊は数カ月前、ハリエット・レーンを米東海岸から太平洋に配置替えした。同地域で中国と影響力拡大を競うバイデン米政権の政策の一環だ。米政府高官は、沿岸警備隊を太平洋におけるソフトパワーの有力な手段とみている。太平洋には米軍の軍事資産と戦略海域があり、台湾を巡る軍事対立で重要な役割を担う可能性がある。
太平洋上の中国抑止、米沿岸警備隊が中古巡視船を活用
40年前に建造された米沿岸警備隊の艦艇「ハリエット・レーン」、32億円相当の改修を終え昨年12月に太平洋に到着
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