ドイツのオラフ・ショルツ首相が2022年2月に自分がしたことを本当に理解していたかどうかは、歴史に残る問いとなるだろう。ロシアがウクライナを侵攻して数日後、ショルツ首相は、ドイツが国防に対する姿勢を転換すると発表した。しかしそれから2年以上たった現在、ショルツ氏が転換点と呼んだものは、あらゆる意味で興味深く、そして驚くべきことに前向きな形で何とか進んでいる。その最新例は、国防費に関するさらにもう一つの議論によって示されている。ショルツ氏が「時代の転換点(ドイツ語でZeitenwende)」を宣言したとき、彼が提案した最も重要な具体的措置はドイツ軍のための1000億ユーロ(約16兆4000億円)の特別調達基金創設だった。この仕組みを使って、ドイツは北大西洋条約機構(NATO)が加盟各国に突き付けてきた要求にようやく応じようとしていた。NATOが求めているのは、国内総生産(GDP)の少なくとも2%を軍事費に充てることと、軍事装備品を更新して実効性のある同盟国になることだ。
【オピニオン】ドイツ、国防費拡大に本気を示す
軍事費削減が財政危機からの脱却策だと考える主流派政治家はもういない
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