米連邦準備制度理事会(FRB)が今年、積極的に利下げを実施するとの観測は、株価が上昇し再三にわたり史上最高値を更新するのを後押ししてきた。利下げ観測が弱まりつつある中で、強気相場に対する投資家の目が厳しくなっている。
S&P500種指数は今年に入ってから6.1%上昇しており、3月28日に付けた史上最高値から3.7%しか下がっていない。10年物米国債利回りが昨年10月下旬に5%のピークを付けて以降、株価は上昇した。これが「あらゆるものの上昇相場」に火を付け、金から債券まで他の資産クラスの価格を押し上げた。
しかし、一部の投資家は、今後の株価上昇が難しくなるかもしれないと心配し始めている。今月10日に発表された米消費者物価指数(CPI)統計は予想を上回り、景気減速の兆候が見えない中でFRBが年内に利下げを実施できるのかという疑問を投げ掛けた。年初の時点では、ウォール街は2024年中に6回、場合によっては7回の利下げを見込んでいたが、現在ではFRBがそもそも利下げをするかに疑問を持ち始めている投資家もいる。