米国は今年に入り株価と金利も上昇
長期金利0.4%、S&P500指数は約5%上昇
今年に入ってからのグローバル金融市場での1つの新たな潮流は、特に米国市場で株価と長期金利が「同時上昇」する流れになってきたことだ。
昨年末から先週末までの変化を見ると、米国10年債金利が約0.4%ポイント上昇している中で、S&P500指数は約5%上昇している。
株価と金利が逆方向に動くことが目立ったコロナ禍の2022年やその後の23年とは好対照だ。22年以降はFRB(米連邦準備制度理事会)がインフレ抑制重視で景気と乖離(かいり)した政策運営を続けてきたことが「逆相関」を生んだ背景だった。
24年に関しては、インフレ鈍化やこれまでのハイペースの利上げの影響から景気減速や利下げのシナリオを描く見方が支配的だった。
ここに来ての株価と金利の同時上昇は何を示唆するのか。コロナ禍後の米経済の別の「ランディング(着地)シナリオ」が必要になる可能性もある。