「セクハラ大王」続々退場、“仏の顔も三度まで”首長告発ラッシュはなぜ起きている?「堪忍袋の緒が切れた」地方公務員が、首長に反旗を翻し始めた。そのきっかけとは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「お前らの脳みそはハトの脳みそより小さい」と言った愛知県東郷町の町長に、女性職員15人へのセクハラが認定された岐阜県池田町町長。岐南町長の「99のセクハラリスト」発覚からさほど時間が経っていない中で、またも相次いで町長によるハラスメントが報じられた。ここにきて、地方でハラスメント告発が相次ぐ理由とは何か。(フリーライター 鎌田和歌)

次から次へ……「町長」による
ハラスメントがなぜ止まらないのか

 町長のハラスメントが相次いで告発された……と聞いて、数カ月前にダイヤモンド・オンラインでも取り上げた岐阜県岐南町の話かと思う人もいるかもしれない。

【参考】ダイヤモンド・オンライン記事(2024年3月1日)
「岐南町長『99のセクハラリスト』から我が身を振り返る“絶対アウト”なスキンシップ思考」
https://diamond.jp/articles/-/339742

 しかし残念なことに、今回は別の町長たちによるハラスメントが新たに発覚したのである。

 職員に対して「お前らの脳みそはハトの脳みそより小さい」「育休を1年取った職員がいたが、出世はできないな」といった暴言や、「(大きな手術を控えた女性職員に対し)いつ、巨乳になって帰ってくるの?」「(男性職員に対し)エロ本買うの?」などと質問したセクシャルハラスメントが報告書でまとめられたのは、愛知県東郷町の井俣憲治町長(57)だ。

 報道によれば、町が臨時職員も含む739人の職員に対してアンケートを実施し、582人から回答を得た。その中で町長からハラスメントを受けたと回答した人は108人に上ったという。

 井俣町長は2018年5月に初当選。当選後からハラスメントが続いているとすれば、職員たちは実に6年近くもこの状態に苦しんでいたこととなる。朝日新聞が4月22日に報じている内容によれば、ハラスメント発言の内容は「死ね、春木川に落ちて、流れていってしまえ……そのまま流れて、下流で見つかればいい」「いつ降格してくれるの?早く降格してくれ」「たとえば旦那さんとエッチなことをしている時に期待しているところじゃないところを触られるってことない?そこじゃないって思うでしょ」「○○さんが僕の愛人だとするでしょ」などとなっており、思わず目を疑う。

【参考】朝日新聞記事(2024年4月22日)
https://digital.asahi.com/articles/ASS4Q3JHWS4QOIPE015M.html?pn=14&unlock=1#continuehere