バイデン政権が中国製の電気自動車(EV)を米国から締め出す姿勢を鮮明にしたことで、中国の自動車メーカーは米国以外の世界の市場に注力することになる。中国の自動車メーカーにとって、米政府が14日に発表した中国製EVに対する100%の関税に伴う打撃は現実的というよりも、象徴的な意味合いが強い。米市場での存在感は無いに等しく、市場参入への政治的ハードルを乗り越えるのは極めて困難なことをすでに認識していたためだ。世界市場を制覇しようとの中国EVメーカーの野望が、今回の米国の方針によって変わることはないとアナリストはみている。ただ、調整は迫られそうだ。各社は新興国市場を重視し、可能な限り生産を現地化することで、中国EVを受け入れることに比較的前向きな政府を味方につける考えとみられる。