10年連続で算数オリンピック入賞者を輩出している彦根市発の知る人ぞ知る塾「りんご塾」。天才を生み出すそのユニークな教育メソッドを、塾長の田邉亨氏が初公開した書籍『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(ダイヤモンド社刊)が、このたび発売になった。本書を抜粋しながら、家庭にも取り入れられるそのノウハウを紹介する。

「中学受験をラクラク突破する子」が幼少期にしていることPhoto: Adobe Stock

算数は中学受験において50%のウエイトを持っている

 算数ほど、スタートダッシュが利く科目はありません。

 中学受験を予定しているりんご塾生のスタンダードはこうです。
 小3までりんご塾に通う。その間に、4年生以降の問題を先取り学習しておく。そして、4年生になったらりんご塾をやめて進学塾に通い始める。そうすると、貯金を持って塾に行く感じになり余裕を持って受験勉強をスタートできる。その結果、志望校に合格できる。

3年生までに算数を“楽しく”学んで得意になれば無敵

 算数は、中学受験において50%のウェイトを持っていると言われています。勉強にかかる時間も合格を左右する割合においてもです。
 だから、小3までにその50%に着手していたら非常に有利です。そうすれば、受験勉強だけで小4~6年生時代をつぶすのではなく、子どもの好きなこともそれほど犠牲にせず、時間を過ごすことができるでしょう。

 よく、中学受験を特集した雑誌に、天才キッズが載っていますよね。時間をやりくりして、バイオリンのコンテストでも優勝しました、みたいな子です。

「すごいな~、できる子は」と思うかもしれませんが、私からすればあれは意外と単純。基本的には、早くからやっているだけ。すごく小さいときから勉強をしているから、学年が上がっても、そんなに勉強に時間を費やさなくていいということ。天才キッズの親は、それを知っているだけなんです。
 断言します。

 3年生までに、算数を楽しく学ばせて得意にさせればその後の受験人生は無敵です。
考える力があるから、どんどん自分で知識をふくらませていくし、能動的だから覚えもいい。

 そうじゃない子たちが4年生、5年生になってから慌てて塾に行って一生懸命やっても、なかなか同じリングに立てません。やってる子たちはもうずいぶん前に、そんなことは終わっちゃってるんです。算数は早期スタートが命なのです。

*本記事は、『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(田邉亨著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。