10年連続で算数オリンピック入賞者を輩出している彦根市発の知る人ぞ知る塾「りんご塾」。天才を生み出すそのユニークな教育メソッドを、塾長の田邉亨氏が初公開した書籍『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(ダイヤモンド社刊)が、このたび発売に。本書を抜粋しながら、家庭にも取り入れられるそのノウハウを紹介する。
中学受験における「算数力」の重要性は高まっている
中学受験が過熱しているといわれています。読者の中にも子どもに中学受験をさせたい方も多いでしょう。
中学受験に非常に有利になるポイントとして、「算数力」があります。
理由は主に2つ。
①算数が得意かどうかが合否を大きく左右する
②算数1科目入試を採用する学校が増えている
①は、算数は暗記科目ではないからです。誰でも覚えさえすればできるわけではなく「思考力の差」が出るからです。また他の科目に比べて1問あたりの配点が大きい場合も多く、1問のミスが命取りになります。
さらに以前は難関男子校でしか出なかった立体図形の難問も、昨今では女子の名門中学として名高い桜蔭や豊島岡でも出題されるようになりました。これらの難関女子校は国語はみんなできて当たり前。だから結局、算数力のある子が、ラクラク勝負を勝ち取っていくのです。
「算数1科目入試」は最近のトレンド
そして、最近のトレンドとして挙げられるのが②。
一般的に、中学受験は国・算・理・社の4科目入試が主流です。そんな中、世田谷学園や巣鴨のように、算数1科目入試を採用して、算数さえできれば合格できる学校が増えてきているのです。
その背景には、学校ができるだけ進学実績を上げたいという事情があります。算数ができる子は数学もできるので、国立大学に合格しやすいからです。
また、大学入試においても、2021年から早稲田の政治経済学部が数学を必須科目にしたことが注目を集めました。
この波は、他の大学入試にも波及する可能性がありますし、中学受験は大学受験の影響を大きく受けます。
したがって、中学受験においても、算数の存在感はより高まっていくと考えられるでしょう。
*本記事は、『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(田邉亨著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。