海外・国内旅行ガイドブックの決定版『地球の歩き方』から、今回紹介する記事は「名作ラブコメ映画のラストシーンを疑似体験?ニューヨーク『秘密の花園』の魅力【写真付き】」です。冬の長いニューヨークですが、束の間ふわりとやさしい表情を見せる春が筆者は大好きです。街中には自然があふれ心休まる公園も多く、お気に入りは「リバーサイド・パーク」、なかでもクラブアップルツリーの並木道です。本稿では、有名ラブコメ映画にも登場した花壇がある91~96丁目あたりをご紹介しましょう。(文/ニューヨーク特派員 青山沙羅、写真/Hideyuki Tatebayashi 監修/地球の歩き方)
リバーサイド・パークとは?
リバーサイド・パークは、ニューヨーク市マンハッタンの最西端、72丁目から158丁目までの4マイル(約6.5㎞)に、ハドソン・リバー沿いに縦長のかたちで広がるウォーターフロントの公園。マンハッタンの中央にあるセントラルパークとは、ほぼ並行に位置しています。
セントラルパークに比べると知名度は低いですが、子供や愛犬を連れてゆっくり散歩ができ、地元住民に愛されています。整備が行き届いているので、清潔で治安もいいです。ハドソン・リバーの対岸には、お隣のニュージャージー州が見えます。
公園には、スケートボードができるスケートパーク、野球場、バスケットボールコート、サッカー場、テニスコート、野球場、マリーナ(2028年再開予定)、ドッグラン、ウォーターフロント沿いの自転車専用レーンなどがあり、夏になるとヨガやダンス、スポーツ、映画上映、ライブミュージックなどさまざまなイベントに無料で参加できるのも楽しみです。
ニューヨークに春を届けてくれる場所
リバーサイド・パークを訪れるにあたって、筆者がおすすめする時期は春(だいたい4月中旬頃)です。クラブアップルツリー(リンゴ科の木)、八重桜が濃淡の花々を咲かせ、公園は花のベールで覆われます。
そのさまは、ふわふわと幸せのオーラが漂っているかのようで、大好きな風景です。普段は眉間に皺を寄せ、前のめりに先を急いでいるニューヨーカーも、この花盛りのなかでは笑顔でリラックス。ベンチが多いので、休みながら眺めることもでき、読書している人も多いです。芝生エリアでは、子供連れがピクニックしていることも。ただし、日本と違って屋外での飲酒は違法ですので、残念ながら花見酒はできません。
見どころ1: ニューヨークの秘密の花園
花々が咲き誇る春のリバーサイド・パーク。筆者はクラブアップルツリーが目当てですが、ほかにも桜やチューリップ、水仙、タイツリソウ、クリスマスローズなど、春の花があちこちで見られます。
クラブアップルツリー
筆者がいちばん好きな、リンゴ科の清楚で可憐な花です。リバーサイド・パークには、クラブアップルツリーと桜の並木道(crabapple grove)があり、一斉に花を咲かせる姿は見事です。蕾は濃いピンク、咲きはじめは淡いピンク、満開になると白に色を変えてゆくので、変化を見守るのも楽しいです。筆者はこの花には大切な思い出があり、毎年春の開花時期には訪れています。
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桜
タイツリソウ
見どころ2: 有名ラブコメ映画のラストシーンに出てきた花壇
メグ・ライアンとトム・ハンクスの1998年映画『ユー・ガット・メール(You’ve got Mail)』のラストシーンで登場した「91丁目花壇(ガーデニング好きのための庭園)」。オンライン上でやり取りしていたふたりが、初めて顔を合わせるハッピーエンドが撮影されました。
花壇はボランティアの人々により手入れされており、春には各種チューリップや水仙、バラ、タイツリソウなどが花を咲かせます。映画では撮影用にプロが手を加えていたようで、実際の花壇とは少し異なります。やや雑然として手作り感がありますが、それもまた趣があります。
住所 91st St & Riverside Park, New York, NY 10024
エリア ニューヨーク市マンハッタン アッパーウエスト
入場料 無料
営業時間 6:00~25:00 年中無休 深夜早朝は立ち入らないこと
公式サイト https://www.thegardenpeople.org
有名 映画『ユー・ガット・メール』のラストシーンに登場