中国発のファストファッション大手シーイン(Shein)は順風満帆に見えた。3ドル(約470円)のTシャツや10ドルのジーンズなど超低価格の衣料品を提供する同社は、数億人の顧客を抱える世界有数のファッション企業に成長していた。昨年11月には米ニューヨークへの上場を申請し、ここ数年で最大規模の新規株式公開(IPO)になると期待されていた。米国在住の同社のドナルド・タン執行会長は、全米を飛び回って政治家との会合を重ねた。シーインはコンプライアンス(法令順守)と透明性の見本である、との自身の見解が賛同を得られるものと楽観視していた。同社は現在、米中間の緊張のはざまで身動きが取れなくなり、ニューヨーク上場への期待はしぼんでいる。
中国発シーインの米上場、米中対立で頓挫
米中間の溝が埋まらず、大型IPOへの期待しぼむ
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