人間の精巣から
マイクロプラスチックを検出
マイクロプラスチックが男性に特殊な危険をもたらす可能性を示唆する新たな知見が、米ニューメキシコ大学薬学部指導教授のMatthew Campen氏らの研究によって得られた。
この研究では、人間の精巣の中には動物の精巣や人間の胎盤と比べて3倍ものマイクロプラスチックが存在していることが示された。この研究の詳細は、「Toxicological Sciences」5月15日号に掲載された。
Campen氏はCNNの取材に対して、「これは警戒すべき状況であり、注意深く見ていく必要がある」と語り、「われわれの体内にどれほど多くのプラスチックが存在しているのかが分かりつつあるところだ。この問題について重点的に研究して、マイクロプラスチックが不妊や精巣がん、その他のがんの発生に何らかの影響を与えているのかどうかを確認する必要がある」と語っている。
マイクロプラスチックの体内での動態に関するエビデンスはすでに蓄積が進んでいる。例えば、体内に取り込まれたマイクロプラスチックが主要な臓器の細胞や組織に侵入して細胞プロセスを阻害する可能性のあることや、マイクロプラスチックにビスフェノール類、ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)、重金属などの内分泌かく乱化学物質が吸着する可能性のあることが、エビデンスとして示されている。