ゲリラ豪雨、爆弾低気圧…異常気象でますます増えている「気象病」の症状と予防法なぜかいつも、雨が降ると体調が悪くなる……(写真はイメージです) Photo:PIXTA

最近知られるようになってきた「気象病」。気象の変化によって引き起こされる心身の不調だ。気象病にかかるとどのような症状が現れるのか。どんな人がかかりやすいのか。そして対策はあるのか。気象病・天気病外来の医師に聞いた。(取材・文/フリーライター 水口陽子)

三大症状は頭痛、めまい、倦怠感
個人差があり多種多様

「天気が悪くなると不調が現れる『気象病』に悩まされている人は、全国で1000万人を超えていると言われています」

 こう解説するのは、せたがや内科・神経科クリニック院長の久手堅司先生。具体的には、どんな症状が現れるのだろうか。

「頭痛、めまい、倦怠感が三大症状です。さらに人によっては、首や肩の凝り、耳鳴り、胃の痛み、便秘、下痢、関節痛、手足のしびれ、動悸、不安感、うつ、吐き気、嘔吐、ぜんそく、古傷の痛み、鼻炎、歯周病の進行などがあります」

 天気が悪いときには気分が落ち込むという人は少なくないが、こんなに多くの症状があるとは驚きだ。

「気象病の痛みは周囲に理解してもらいにくく、しかもすぐに回復することが多いので、仮病だろうとか、怠けているだけじゃないか、などと言われてしまうのです」

 クリニックに通院する患者には「天気が回復するまでひたすら我慢し続ける」ことで対処している人が多いとのこと。どの症状も体調不良の典型症状だが、気象病は普段はなんでもないのに、天気が悪くなると前述のような症状が出て、天気の回復とともに元気になるのが特徴だ。

「確かに命の危険に直結することはまれですし、我慢しようと思えばできてしまいます。でも、我慢し続けていると慢性化し、さらに症状は強くなって起き上がれなくなり、鬱症状が現れて出社できなくなるというケースもあります」