101歳、現役の化粧品販売員として活躍しているトモコさん。累計売上高は約1億3000万円で、「最高齢のビューティーアドバイザー」としてギネス世界記録に認定されたキャリア61年のトモコさんが、年をとるほど働くのが楽しくなる50の知恵を初公開した話題の書『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。世界一の先輩による“言葉のサプリメント”は、アナタの疲れた心を元気にしてくれる!

101歳、世界最高齢の現役営業レディが教える「長く仕事を続ける」1つの強み写真:POLA提供

気がつけば101歳

身内や近くに住む方たちとのお付き合いが、ほとんどすべてだった私の生活に、それまでお会いしたことのない方たちが登場してきたのは、99歳になってからのことでした。

私自身はただ毎日を普通に過ごしているうちに、いつの間にかこの年齢になっちゃったという感じなのですが、世間の人はそう思わないのですね。

テレビを見ていると、「人生100年時代」なんてことをよく耳にするようになってきましたが、それでも健康で100歳を迎えるというのは、特別なことらしいというのをそのときにはじめて実感しました。

100歳を迎えるころから取材殺到

私が100歳を迎えようという年齢でありながら、現役の化粧品販売員(セールスレディ)として日々仕事をしているということが、世の中の人たちが感じる“特別感”に拍車をかけているらしいこともわかってきたのです。

そんなふうにして100歳を迎えるころから、私のもとに新聞や雑誌、テレビなどの取材依頼が舞い込むようになりました。

私は人とお話しすることが大好きですし、誰かのお役に立てるのならばと、可能な限りお受けするようにしました。そして、いざ100歳を迎えたら、取材依頼の数は前年の比ではありませんでした。

ギネス世界記録に認定

私は1923(大正12)年4月9日生まれですが、2023年に100歳を迎え、その年の8月に「最高齢の女性ビューティーアドバイザー」としてギネス世界記録に認定されたのです。

これによって、さらに新聞や雑誌、テレビなどの取材が増え、よりたくさんの人に顔と名前を覚えていただけるようになりました。取材のときに「お忙しいでしょう? お疲れになりませんか?」など、取材してくださる方からいたわられることも多いのですが、ご心配にはおよびません。

私は生来の話し好きですから、日々の営業活動でも取材を受けるときでも、話せば話すほど元気になって勢いがつくので、驚かれることもしばしばです。

キャリア61年のセールスレディ

今回、私が101歳になった今でも現役のセールスレディとして、働き続けていられる秘訣を本にするというお話をいただきました。

実際のところ、最初は少し戸惑いがありました。縁あって、ポーラ化粧品本舗(現・ポーラ)の化粧品販売員として働きはじめて61年になりますが、これまで私は毎日を大事にしながら、歩んできただけ。秘訣もコツも自覚したことはありません。

そもそも「100歳まで働き続けよう」などと目標を掲げたこともありません。楽しく続けていたら、いつの間にかこの年齢になっちゃった……私としてはそんな感覚
なのです。

「楽天的思考」が強み

「仕事がつらい」とか「苦しくてたまらない」と感じることがなかったのは、もともと楽天的だったということが大きいかもしれません。

思えばこれまでの人生、早くに母親を亡くしたり、夫を見送ったりと、悲しいことは人並みに経験してきましたが、何かを深刻に思い悩んだということは、おそらくなかったような気がします。

家族を失ったときはもちろん悲しみましたが、自分がしっかり生きていくことが、亡き人への何よりの供養になるという思いがあり、長く引きずることはありませんでした。

長く楽しく働く秘訣

編集者の方にそう伝えたところ、「ぜひそうしたことをお話ししてください。トモコさんの考え方が楽天的で、それゆえに楽しく仕事を続けてこられたこと自体が、多くの読者のヒントになると思います」と言われ、なるほど、楽しく生きて働き続けてきた話をすればいいのかとストンとふに落ちたのです。

楽天的なのが取りえの私の話が、少しでもみなさんの気持ちを楽にできるのならば、お話しするのがこの年齢まで働き続けることのできた私のお役目なのかな、と思った次第です。

命ある限り、お客さんを大事にしながら、大好きな仕事を続けていきたい。そして、せっかく話すならば、隠しごとなく、みなさんの役に立つお話をしたいと思い
ます。

※本稿は、『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。