101歳、現役の化粧品販売員として活躍している堀野智子(トモコ)さん。累計売上高は約1億3000万円で、「最高齢のビューティーアドバイザー」としてギネス世界記録に認定されたキャリア61年のトモコさんが、年をとるほど働くのが楽しくなる50の知恵を初公開した話題の書『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官)が「堀野氏の技法は、ヒュミント(人間による情報収集活動)にも応用できる」と絶賛(日刊ゲンダイ・週末オススメ本ミシュラン)する世界一の先輩による“人生訓”は、アナタの疲れた心を元気にしてくれる!
欠点ではなく
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私の最初の就職先は、現在のNTT(日本電信電話)で、当時の「逓信省」でした。逓信省は、郵便や電信電話を管轄していたのですが、私はそのうち電信電話(電話局)に就職したんです。
そこで私は電話交換手となり、就職して2年が過ぎたころには「監督」と呼ばれる立場になりました。今でいう「グループリーダー」ですね。グループリーダーが束ねるのは、女性ばかりの25人程度のグループです。もしかして今、「うわ、めんどくさそう!」と思いませんでしたか?
よく「女性が3人集まれば派閥ができる」「女性の職場は人間関係が面倒」などといわれるくらい、女性の職場は大変だと思われているようです。でも、実のところ私自身は、そう感じたことが一度もないんです。能天気に「うちのメンバーは、みんないい人ばっかり!」なんて思っていましたから。
もっとも、そう思っていたのは私だけで、私の気づかないところで、いろんなことを言われていたのかもしれません。わずか2年でグループリーダーになった私を、面白く思わなかった人が、まったくいないほうが不自然でしょう。でも、少なくとも私自身がそう感じたことはありませんでした。
他人の評価を
気にしない鈍感力
他人がどう思うかは、他人の決めることだから、気にしても仕方ないですよね。私は、まっとうなことをやることだけ考えて、あとは「どう思われようが人任せ」でいたほうがいいと思います。
作家の渡辺淳一さんが2007年に刊行した著作『鈍感力』は、100万部を超えるベストセラーになりましたね。複雑な現代社会を生き抜くには、一種の“鈍さ”が必要であると説いた「鈍感力」は、小泉純一郎元首相が使ったこともあって流行語になりましたが、私こそ“元祖・鈍感力”の持ち主なのかもしれません。
だからこそ、他人の目を過剰に気にすることなく、自分が「こうしたほうがいい」と思ったやり方でやれたのだと思います。鈍感なのって、けっこういいものですよ。少なくとも本人は楽です。では、どうすれば鈍感になれるのか?
やめてみるといい
思考の習慣
まずは「自分がどう思われているか」と考えることをいったんやめてみてはいかがでしょうか。そして、「どう思われているか」から「自分はどうありたいか」に、軸足を少しずつ移してみるのです。
いきなり鈍感になるのは難しいと思いますが、少しずつ“敏感すぎて傷つきやすい私”を手放していけるといいですね。
人にはそれぞれ好き嫌いがあるので、万人に愛されることは不可能です。それに人は、いったん「この人は、こういう人」と思うと、めったなことでは評価を変えません。
ほとんど意味のないこと
さらに、ここが重要なのですが、他人があなたを幸せにしてくれるわけでもありません。つまり「自分がどう思われているか」を気にすることは、ほとんど意味のないことだと私は思うんです。
「人からこう見られたい自分」に近づくことよりも、「こうありたい自分」になる努力をしたほうが、ずっと幸せに生きられると思います。
※本稿は、『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。