マクドナルドのハッピーセット「ポケモンカード」転売騒動で経営のプロが抱いた『強烈な違和感』の正体Photo:PIXTA

日本マクドナルドがハッピーセットの「ポケモンカード」転売騒動で謝罪に追い込まれた。再発防止策を打ち出したものの、5月に同様の「ちいかわ」騒動を起こしていたのだから、事前対策はもっとできたはずだ。何より、同社には「言動不一致」な点があり、企業として信頼度を著しく損ねる行為だと思わざるを得ない。(未来調達研究所 坂口孝則)

マクドナルドのハッピーセット
ポケモンカード転売は予測できたはず

 日本マクドナルドは過去から何を学んだのだろうか――。今度は、「ポケモンカード騒動」が勃発した。8月9日からポケモンカードが付くハッピーセットを発売したものの、たった1日で売り切れ(販売終了)となった。

 問題は、転売目的の大量買い占め、店舗と周辺道路の混乱、そして大量の食品廃棄が発生したことだ。ポケモンが好きな子を持つ親など、欲しくても買えなかった“普通の人”たちが不満を募らせる一方で、いわゆる転売ヤーにより、フリマサイトの「メルカリ」や海外のサイト(二次流通市場)では1枚数千円~数万円もの値がする出品があふれた。

 10日、11日になっても騒動は収まらない。SNSには“外国人転売ヤー”の目撃情報談や、ハンバーガーやポテトが大量に廃棄される写真が数多く投稿され、ハッピーセットをめぐって一大議論が巻き起こっている。

 それを受けて11日、マクドナルドは公式サイトで謝罪し、再発防止策を発表した。しかし率直に言って、こうなることは最初から十分予想できたのではないだろうか。ポケモンカードの“威力”がどれほど強いか、マクドナルドほどの企業なら知っていただろう。

 何より、5月末には全く同じ「ちいかわ」騒動を起こしたばかりなのだ(参照記事『ハッピーセット「ちいかわ」転売問題、経営のプロが考えた「転売対策」がド正論すぎてファン激怒』)。

 実は、筆者の小学生の息子もポケカの大ファンで、マクドナルドにハッピーセットを買いに行った。しかしそこでは、大人たちによる残念な光景が繰り広げられていたという……。