マスード・ペゼシュキアン氏が前回、2021年にイラン大統領に選ばれることを目指したとき、同国の保守的な体制は、同氏と同氏の仲間の改革派全員の立候補を禁じた。イラン当局は今回、69歳の心臓外科医で政治経験豊かなペゼシュキアン元保健相に、イランの女性に関する厳格な道徳規範の緩和と欧米諸国との対話再開を目指す姿勢をはっきり示した唯一の大統領候補として出馬することを認めた。ペゼシュキアン氏がどうにか出馬を許されたという事実は、イランの支配者層が彼を安全な選択肢と見なしていたことを示していた。しかし、6日の大統領選決選投票で同氏が勝利したことは、対立候補が支持した強硬な政策を国民が懸念する度合いの高さを示唆した。投票率が大幅に上昇した選挙で同氏は53%の票を獲得した。