エヌビディアのAI半導体、中国に運ぶ地下ルートとはPhoto:Bloomberg/gettyimages

【シンガポール】シンガポール在住の中国人留学生(26)は昨秋、休暇で帰国するためスーツケースに荷物を詰めていた。荷物の中には衣類や靴だけでなく、米半導体大手エヌビディアの人工知能(AI)向け先端半導体チップが6個入っていた。

 米国が半導体の対中輸出を規制しているため、大学の友人を介して、チップを中国に持って行くように頼まれた。チップ1個は任天堂のゲーム機「ニンテンドースイッチ」ほどの大きさで、空港の検査員に怪しまれることもなかった。

 到着後、運んだチップ1個につき100ドル(約1万6000円)を受け取ったと学生は話した。