生成AIブームに沸く半導体市場で、5年後も高成長を続けそうな企業とは?特集『高配当・半導体・生成AI超進化!5年後の業界地図』(全19回)の#11では、そんな期待大の国内外10銘柄を開陳。さらに、沸騰する米エヌビディアが今後も熱を失わないための、「ある条件」についても解説した。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
エヌビディア沸騰が続く条件&
5年先も期待大の半導体銘柄とは?
「エヌビディアの天下は5年後も続くだろう」(楽天証券経済研究所の今中能夫チーフアナリスト)。市場関係者がこの先も期待を寄せる、米エヌビディアの躍進がすさまじい。
生成AI向けの画像処理半導体(GPU)で圧倒的地位を築き、市場の期待もうなぎ上り。6月18日の米株式市場では、時価総額が約3兆3350億ドル(約526兆円)に達し、米マイクロソフトを抜いて、世界首位に躍り出た。
エヌビディアはなぜ、ここまで巨大化したのか。それは、同社の半導体が、進化を続ける生成AIにとって不可欠だからである。
今中氏は、「生成AIが企業のあらゆる情報システムの中に組み込まれる流れが始まった」と話す。「その本格的な到来の初年度が今年であり、去年はまだ“お試し”にすぎなかった」とも指摘。今後も半導体市場が拡大するのは間違いないとの見方を示す。
何しろ、生成AIの応用範囲や汎用性は底知れず、今やシステムインテグレーターやコンサルタント、ソフトウエア企業やSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)の事業者など世界の多様なプレーヤーが、自社サービスに生成AIを組み込んで売り出そうとしている。
生成AIをてことした長期ITブームの足音が近づく中、基盤となるエヌビディアの半導体に爆発的なニーズが集まっているのだ。
エヌビディアが突出した存在感を見せつける一方、日本勢も半導体製造装置では世界的に競争力の高い企業がそろう。生成AIブームの直接的な恩恵も大きく、投資先銘柄としても有望な存在だ。
次ページ以降では、この先5年も高成長を続けそうな、市場関係者が注目する国内外の半導体銘柄を明らかに。併せて、沸騰するエヌビディアが今後も熱を失わないための「ある条件」についても解説する。