平安神宮平安神宮(京都府京都市) Photo:PIXTA

大河ドラマ『光る君へ』にも登場する清少納言。『枕草子』の作者として知られる彼女は、どんな人物だったのか。清少納言の知られざる素顔とは。『枕草子』からひも解いてみましょう。(歴史学者 濱田浩一郎)

実はイケメン好きだった?
清少納言の意外な素顔

 大河ドラマ『光る君へ』では、ファーストサマーウイカさんが好演している清少納言(ききょう)。「春はあけぼの」で知られる、随筆『枕草子』は現代に至るまで読み継がれていますが、そこには彼女が感じたさまざまなことが記されています。

 例えば、胸がときめくこととして一番初めに挙げられているのは、「雀のひなを飼うこと」。赤ちゃんを遊ばせているところのそばを通ったり、良い薫物をたいて1人で横になったりするのも胸がときめくことだと述べています。また、約束した男性を待っている夜は、雨や風が屋敷を吹き揺るがす音にも胸騒がすものがある、とも。

 また、退屈な日に、それほど親しくないお客がやって来て、最近起こった面白いこと、腹の立つこと、奇妙なことなど、公私のあれやこれやをサッパリと話してくれた時は胸がすくような気がしたと書いています。

 こうした記述からは、清少納言が社交的で人付き合いが良かった様子がうかがえます。親しくない客が来ていろいろと話し始めたら、うっとうしいと感じる人もいそうなものです。

 さて、清少納言、こんなことも書いています。