「ハワイなどの人気の観光地に行くよりも、断然、面白い経験が得られる国がありますよ」
そう語るのは、『世界の果てに、東出・ひろゆき置いてきた』などに出演し、ネット上で有名なひろゆき氏。彼の著書『1%の努力』『99%はバイアス』では、「どうすれば影響力を持てるのか?」「口のうまい人がトクする世の中で、どう生きるべきか?」などをマジメに語っているが、本記事では、夏休み前に関心の高い「おすすめの旅行先」について聞いてみた。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
「どこに行くのか」を知らされない
あなたは、海外に旅行するのなら、どこの国に行きたいですか?
ハワイ、韓国、ニューヨーク、パリ……。
そんなメジャーな国ばかりが思い浮かぶのではないでしょうか。
元々、僕は海外旅行が大好きですが、最近ではABEMAの番組出演によって、すっかり「ひろゆき = 旅芸人」というイメージがついているかもしれません。
直近では、『世界の果てに、東出・ひろゆき置いてきた』で俳優の東出昌大さんとアフリカや南米の国を旅しています。
ちなみに、そのときの旅の期間は「1ヵ月間」で、それだけ長期のスケジュールを拘束されています。
しかもこれ、実は、僕はどこにいくか知らされていないんですよね。
プロデューサーの高橋さんと僕の奥さんが直接やりとりして勝手に日程を決めています。
そして最後に知らされるのが僕という順番です。まるで『水曜どうでしょう』の大泉洋さんのようですよね……。
マイナーだけど「いい国」
そんなわけで、こないだ「エクアドル」に行ってきました。
エクアドルという国は南米大陸にあり、公用語はスペイン語なのですが、米ドル文化でアメリカ人が生活しやすい国です。
ただ、どうでしょう。日本に暮らしていると、「こないだエクアドルに旅行に行ってさ~」みたいな話はそんなに聞いたことがないかもしれません。
どちらかというとマイナーですよね。
マイナーな国というのは、大体、2つのパターンに分かれます。
それは、「実際に行ってみると面白くない国」か「そんなに観光に力を入れなくても食べていける国」かです。
エクアドルは後者の「観光に力を入れていない国」でした。
実際に行ってみると、治安が良くて、ご飯も美味しい(行く前は、マフィアも多くて治安が悪い印象でしたが……)。
こういう国に行くと、期待していなかったぶん、より海外旅行が楽しめます。
観光に力を入れないワケ
では、なぜエクアドルは観光に力を入れていないのでしょうか。
それは、観光で外貨を稼がなくても食べていけるからです。
南米北部の赤道直下にあるので、農作物が豊富にとれます。また、海に面しているので、海産物もたくさんとれます。
おそらく、エクアドルと聞くと、「バナナ」を想像するのではないでしょうか。
たしかにバナナの輸出量が世界一であることで知られています。
チョコレートの原材料のカカオもとれるので、世界中に農作物を輸出しているのが特徴です。
実際にエクアドルの食生活を体験すると、バナナが主食でした。
熟す前のバナナを揚げて食べたりしています。日本でいうお米の代わりですね。
しかも、当たり前ですが、お米に比べると圧倒的に食べやすい。
お米を育てる場合は、苗を植えて、育てて、稲刈りをして、脱穀して、精米して、炊いて……、と工程がめんどくさい。
けど、バナナは、生えている実をとって、そのまま皮を剥いて食べられます。
米や麦に比べて、すごく楽なんですよね。
海外旅行の「醍醐味」とは?
エクアドルの人と話をしていて印象的だったのが、
「仕事がなくなっても、バナナ農園で働けばいいや」
と、楽観的な考え方をしているところです。
わりと好きな仕事をやっている人が多く、仕事に困っている人も見かけなくて、ホームレスは少ない。
だから、街の治安がいいんですよ。
とはいえ、海外ニュースを見ると、エクアドルの政府は自分たちのためにお金を使いがちで、マフィアも台頭していて、抗争が続いているようですけどね。
ただ、実際に現地に行ってみると、国が豊かなぶん、そんなに忙しくしている人は少なくてダラダラ生きている感じでした。
そうやって、異文化に触れることが海外旅行の醍醐味ですよね。
ということで、ぜひ「観光に力を入れなくても食べていける国」を探して旅行に行ってみてください。
ハワイとか人気の観光地に行くよりも、ぜんぜん面白い経験が得られると思いますよ。
(本稿は、『1%の努力』の著者・ひろゆき氏へのインタビューをもとに構成したものです。)
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。自身のYouTubeチャンネルの登録者数は160万人を突破。生配信の「切り抜き動画」が話題になり、ひと月の総再生回数は3億回を超えた。主な著書に、シリーズ50万部を突破した『1%の努力』『99%はバイアス』(ダイヤモンド社)がある。