人工知能(AI)を巡る米マイクロソフトの野望を反映する数字は大きく伸びている。ただし、望ましい分野においてではない。マイクロソフトが30日発表した4-6月期(第4四半期)決算では、いくつかの注目すべき傾向が示された。ファクトセットのデータによると、クラウド事業の売上高の伸びは鈍化し、「インテリジェント・クラウド」部門では約2年ぶりに市場予想を下回った。また、同四半期の設備投資額(ファイナンスリースを含む)は190億ドルという膨大な規模に達した。これは、ほんの5年前にはマイクロソフトが1年間に費やしていた金額に相当する。支出の急増は驚くに値しない。マイクロソフトを含む巨大テクノロジー企業は昨年から、生成AIの分野で多額の投資を行う計画を公表してきた。ただ、マイクロソフトでは4-6月期はクラウド全体の売上高は368億ドルとなり、アナリスト予想に2%ほど届かなかった。パブリッククラウド事業「Azure(アジュール)」の売上高の伸びは会社予想レンジの下限にとどまった。グーグル親会社のアルファベットが先週発表した四半期決算ではクラウド事業の売上高が市場予想を上回っており、対照的な結果となった。