トヨタ・日産は地元大学が強い
ホンダは理系大学が上昇
23年のランキングでは、トヨタ自動車は前年に続いて1位が名古屋大学、2位が大阪大学だった。前年4位の名古屋工業大学が3位、前年9位だった九州大学と5位だった同志社大学が同順位の4位にそれぞれ上昇した。
また、前年ランキング外だった慶應義塾大学が6位、豊田工業大学が8位に浮上。前年5位だった京都大学は7位、3位だった立命館大学が9位になった。同順位の東京工業大学は前年と変わらなかった。トヨタ自動車の本社(愛知県豊田市)に近い名古屋市の大学が上位に来ており、地元志向の強さがうかがえる。
ホンダの1位は前年5位の芝浦工業大学が上昇し、前年1位の早稲田大学と2位の慶應義塾大学は10位となった。2位には大阪大学、中央大学、東京理科大学、日本大学、法政大学、同志社大学が並んだ。前年3位で同順位だった東京大学と東北大学は、それぞれ8位と10位になった。
また、前年はランキング外だった東京工業大学が8位に浮上しており、理系大学が上位に食い込んだ。
日産自動車は、前年と同じで九州大学が1位だった。この人気は、福岡県苅田町に巨大な工場を有している影響だろう。2位には前回5位の早稲田大学が上昇。前年ランキング外だった北海道大学が3位に浮上し、同順位に前年6位の東北大学が並んだ。
5位は前年ランキング外だった中央大学が浮上。6位に東京大学、東京工業大学、大阪大学が並び、9位に名古屋大学、芝浦工業大学、明治大学が並んだ。
「CASE」という新潮流
化学・IT系人材の採用が盛ん
自動車販売台数の世界ランキング(22年実績)ではトヨタ自動車がトップ、次点が独VW(フォルクスワーゲン)Groupで、この2社は特に豊富な資金力と高い開発力を持ち、業界をけん引している。
最近は企業の提携も盛んだ。22年、高付加価値型のEV(電気自動車)の開発・販売などを目的として、ホンダがソニーグループと合弁会社を設立した。海外では、英ロールスロイスと韓国の現代自動車が次世代航空機のエアモビリティー事業で協業するなど、枚挙にいとまがない。
そんな中、自動車業界ではCASE(コネクテッド、自動運転、カーシェアリングとサービス、電動化)という新しい潮流が生まれ、業務の幅が広がっている。EVの巡行距離を伸ばすために部材を軽量化するなど材料開発も進んでおり、化学系やIT系の学生の採用が盛んのようだ。
*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。
医科・歯科の単科大等を除く全国749大学に2023年春の就職状況を調査。567大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数にグループ企業を含む場合がある。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。東京大学は「東京大学新聞」、京都大学は「京都大学新聞」より集計。大阪公立大は統合前の大阪市立大と大阪府立大の実績を掲載した。企業名は大学通信の調査方法にのっとって表記しており、正式名称と異なる場合がある。(調査/大学通信)