イランによるイスラエル攻撃が迫るとされる中、米国とイランの当局者は、事態がエスカレートして双方に大きなリスクが生じる可能性に直面している。イランは4月に300発のミサイルやドローン(無人機)をイスラエルに向けて発射したが、バイデン政権はこれを上回るような攻撃を阻止しようと働きかけている。一方、代理組織を通じて敵対国に対応することを好むイランは、戦争拡大の危険を冒してでも直接報復すべきかを検討している。イランが本格的な攻撃を実施すれば、イスラエルによる報復をさらに招く可能性があり、米政府が望んでいるパレスチナ自治区ガザの停戦は遠のく。一方でイランも脆弱(ぜいじゃく)性が露呈し、中東地域の大国としての立場が弱まることもあり得る。