ウクライナ軍は今週、ロシア領土内に進攻した。西部クルスク州への越境攻撃はロシア政府にとって新たな頭痛の種となっている。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナとの戦争は自国領土外でしか行われないと確信し、クルスク州に強固な防衛態勢を敷いてこなかった。ウクライナ軍はこの隙を突いて越境攻撃に出た。同軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は12日、約1000平方キロメートルのロシア領土を制圧したと述べた。ロシアの南部は約970キロにわたって未支配のウクライナ領土と国境を接しており、ロシアはその防衛について考えざるを得なくなる。クルスク州への越境攻撃を受け、ロシア軍はウクライナ南部ヘルソン州およびザポロジエ州から一部撤退したと報じられている。米シンクタンクの戦争研究所は13日、ロシアはドネツク州の非正規部隊から一部の人員を引き揚げたり、南東部国境の後方部隊の交代か補強に向けて要員を再配置したりしている可能性があるとの見方を示した。