会社に不満を抱え、毎日を憂うつにすごしていないだろうか。
「会社はこうあるべき」という固定観念にとらわれ、ストレスを抱えている人は少なくない。
本連載では、ビジネスパーソンから経営者まで数多くの相談を受けている“悩み「解消」のスペシャリスト”、北の達人コーポレーション社長・木下勝寿氏が、悩まない人になるコツを紹介する。
いま「現実のビジネス現場において“根拠なきポジティブ”はただの現実逃避、“鋼のメンタル”とはただの鈍感人間。ビジネス現場での悩み解消法は『思考アルゴリズム』だ」と言い切る木下氏の最新刊『「悩まない人」の考え方 ── 1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』が話題となっている。
本稿では、会社でより良い働き方を実現する方法と、会社と対等な関係を築く方法を解説する。(構成/照宮遼子)
もう会社に振り回されない!
会社に不満を持つ人、持たない人の分岐点とは?
会社に対して不満を抱えてしまう人は、会社の“内側に”自分がいると考えます。
そうなると、自分は会社の一部になっているので、上司からの命令は絶対で、言われたとおりにやるしかありません。
それによって目的が達成できなかった場合、上司の命令が理不尽だと、「他責」のストーリーをつくり上げてしまいます。
一方、会社に不満を持たない人は、会社の“外側に”自分がいると考えます。
雇われているのではなく、勤務先の会社と「株式会社ジブン」が業務提携をしているという感覚で仕事をしています。
「株式会社ジブン」は雇用主との一方的な関係ではなく、会社同士の対等な取引関係になります。
たとえば、上司の指示どおりに書いた文章が、自分が書いたと思われたくない出来だったとします。
この場合、もしフリーランスのライターであれば、「自分の価値が下がるから受けたくない」と思ったら、上の人に掛け合って指示を変更してもらったり、いろいろ交渉をすると思います。
「株式会社ジブン」の経営者も同じです。
しかし、これが会社の“内側に”自分がいると考える他責マインドの人であった場合、上司の言うとおりに文章を書き、結果的に評価が下がれば、理不尽だと不満を溜めてしまいます。
自分の評価がかかっているなら、主体的に動くべきなのに、何もせずただ不満をぶつけるのは問題があります。
「株式会社ジブン」として考える、転職のベストタイミングとは?
フリーランスの人は、クライアントを選ぶ立場でもあります。
それと同じように、「株式会社ジブン」として、会社をクライアントと見立てて、その会社の仕事を受けるかどうかを決めていきましょう。
相手が提示する条件がよくなければ、無理して契約をする必要はありません。互いに条件が合う別の取引先を見つければいいのです。
つまり、仕事を辞めるべきかどうかについても、「株式会社ジブン」として経営判断を行うことになります。
評価や給料などを考えたとき、この上司の下にいても先が見えていると思えば、別のところへ移ればいい。
しかし、そうした判断を行えない状態なら、今すぐ辞めるべきではありません。経営者として、ベストなタイミングはいつなのかを考えて行動しましょう。
会社への不満が解消するメカニズム
一般的にフリーランスの人は、クライアントに過剰な期待を抱いていないのではないでしょうか。
相手に過剰な期待を持ちすぎないからこそ、何かあったら率先的に動き、対等に交渉しようとします。
しかし、会社勤めの人は、会社がやってくれるべき、上司のほうが変わるべきと思っている人が多いので、会社に対する期待値が高く、お客さん気分で会社に甘え、あぐらをかいてしまうのです。
「株式会社ジブン」として、会社と対等に振る舞うことができるようになると、相手に対して完璧さを求めなくなり、不満を持たなくなっていきます。
なぜなら、その相手を選ぶという経営判断をしたのは「株式会社ジブン」の経営者である自分。すべてを自分で選んでいるという感覚が不満を消し去ってくれるのです。
(本稿は『「悩まない人」の考え方──1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』の著者による特別投稿です)