ハリス外交、キーパーソンは現実主義者Photo:Kent Nishimura/gettyimages

【ワシントン】それは、バイデン政権が最も重要な判断の一つを下すときのことだった。アフガニスタンでの20年に及ぶ戦争の末に米軍を撤退させるかどうかを巡り、カマラ・ハリス副大統領と、ハリス氏の副国家安全保障顧問を当時務めていたフィル・ゴードン氏は、互いの意見が食い違っていることに気付いた。

 ハリス氏はジョー・バイデン大統領を断固支持し、米国の任務を終える時が来たと考えていた。しかし、ゴードン氏は慎重になるよう助言した。米国はアフガニスタンで民主主義の種をまくことができていなかったが、小規模の部隊を残すことでイスラム主義組織タリバンを食い止め、女性の権利を守り、難民危機を回避できる可能性があると、ゴードン氏は主張した。米国とその同盟国を脅かしている現地のテロ組織への対応など、米軍がとどまる現実的な理由もあると、同氏は提言した。