アリスタゴラ・アドバイザーズ会長の篠田丈氏 Photo by Wataru Mukaiアリスタゴラ・アドバイザーズ会長の篠田丈氏 Photo by Wataru Mukai

お金持ちになりたい人は多いのに、お金持ちについて知っている人は少ない――。平均資産が30億円に上る超富裕層を顧客にプライベートバンク事業を展開するアリスタゴラ・アドバイザーズ会長の篠田丈氏に「お金持ちになる人の頭の中」を解説してもらう短期集中連載。第6回は、セールス嫌いの超富裕層から信頼を勝ち取り、顧客にする方法を聞いた。(構成/田之上 信)

富裕層から信頼される
「誠意の示し方」

 富裕層は疑心暗鬼な面を持っています。特に代々から続く古い資産家にはその傾向が強いと感じます。

 それも当然と言え、彼らのもとにはその資産を狙って多くのセールスが押しかけてくるからです。不動産をはじめさまざまな投資案件、高級外国車や宝飾品、百貨店の外商もいます。

 富裕層からすると、結局、自分ではなく、自分のお金を目当てにすり寄ってくるだけの相手にしか見えないのです。それはものすごく敏感に感じ取ります。ですから、まずセールス関係者には絶対に会いません。時間のムダだと思っていますから。

 それは私たちのような資産運用会社もそうです。同じような目で見られますから、信頼を勝ち得て運用を任せていただくまでは相当な時間がかかります。

 当たり前ですけど、会ってすぐに100%信頼することなどありえません。信頼を得るまでに通常、最低1~2年はかかります。

 富裕層からの信頼を得るために、何より重要なのは「誠意」です。誠意がない相手に、大事な資産を預けられないのは当然のことです。ウソをつかないとか、ごく当たり前のことですけど、そこが第一歩になります。