超富裕層が徹底!資産運用で財を成す「3つの原則」、金融商品を自分で選ばないワケPhoto:PIXTA

お金持ちになりたい人は多いのに、お金持ちについて知っている人は少ない――。平均資産が30億円に上る超富裕層を顧客にプライベートバンク事業を展開するアリスタゴラ・アドバイザーズ会長の篠田丈氏に「本物のお金持ちの生態」を聞く短期集中連載。第3回目では、大金持ちが「資産運用で絶対にしないこと」を聞いた。長年にわたって世界の超富裕層たちが築いてきた資産運用の極意から学ぶことは多い。(構成/田之上 信)

お金は「増やす」
ではなく「減らさない」

 欧州の富裕層は、資産運用においてプライベートバンクに任せるケースが多く、その場合、一任運用が基本となります。

 日本ではまだ一任運用される富裕層は少ないのですが、それでも少しずつ変化してきており、当社も一任運用を基本としています。

 日本の富裕層のうち、先祖代々、古くから繫栄している名家と呼ばれる家柄の人たちは、私が見てきた欧州の「本当のお金持ち」に近い印象があります。

 それは投資や資産運用に対する考え方、姿勢にも表れています。日本の古くからの富裕層は、欧州の富裕層と同様に保守的です。先祖代々受け継いできた大事な資産ですから、リスクを取りにくい。もちろん、稀にリスクテイクな富裕層の方もいますが、一般的にはやはり「守る」ことを重視されます。

 それに対して、一代で財を成したような新興富裕層は、リスクテイクに積極的です。自分の力で資産を築いたという自負があるからです。

 ここでは、私が見てきた欧州の富裕層の資産運用の特徴について簡単にご紹介したいと思います。これから資産運用を始める方や、すでに運用しているけれども不安がある……といった投資家の方たちの参考になればと思います。

 欧州の富裕層が運用において最も重視するのは、お金を「増やす」のではなく、「減らさない」ことです。プライベートバンクなど運用のプロに一任して、年間数%でもいいので、安定的に伸ばすことを目指しています。そして、それを子孫に継承していくことを重要視しています。