シリコンバレーの投資資金を獲得するには、スタンフォード大学の砂岩でできた建物であれ、創業初期のフェイスブックの落書きだらけのオフィスであれ、出身母体が物を言う。ベンチャーキャピタルが今注目するのは、イスラエル軍のサイバー部隊に所属していた新しいタイプの起業家たちだ。高度なサイバーセキュリティーとサイバー戦争能力で知られる「8200部隊」の出身者は、これまで数十社のサイバーセキュリティー企業を設立してきた。独力で影響力のあるベンチャーキャピタリストとなり、起業家精神を持つ元隊員のメンターとなっている者もいる。8200部隊の元隊員が設立し、米国で上場しているハイテク企業は少なくとも5社あり、その時価総額は計約1600億ドル(約23兆4000億円)に上る。元隊員が立ち上げた非公開企業の評価額の合計はそれをはるかに上回る。
シリコンバレーの人材源、イスラエル軍「8200部隊」
精鋭サイバー部隊は大手企業をハッカーから守る新興テック企業のインキュベーターとなっている
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