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トランプ関税に各国が振り回される中、日本は約85兆円の投融資計画に合意し、第1弾を発表。ガス火力発電、原油積み出し港、人工ダイヤモンド製造が対象となった。参画する日本企業は数十社に上るが、その影響がプラスばかりと楽観するのは時期尚早だろう。日本の技術力を生かし、中国依存の軽減に役立つ点もある一方、何より最大の懸念がある。それは何か。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)
ガス火力発電、原油港、人工ダイヤモンド
日本の対米投資5.6兆円の行方は?
トランプ政策が一段と混迷している。トランプ氏の支持率が下落傾向にある中、相互関税は米最高裁で「違憲」判決が出たことにより徴収をやめた。しかし代替措置として、10%の新たな関税を課す命令書に署名。さらに関税率を15%に引き上げる意向を示している。
翻って経済産業省は2月中旬、対米投資計画の第1弾を発表した。対象は、ガス火力発電事業、原油積み出し港、人工ダイヤモンド製造の拠点整備だ。投資額は360億ドル(約5.6兆円)に達する。
トランプ氏は1月、韓国の投資が遅いと非難し、追加関税を表明した。しびれを切らしたのだろう。そうした状況になる前に、高市政権は手を打った。今回の対米投資は日本企業の業績拡大につながる可能性はある。その一方、負の影響やリスクもある。
まず、トランプ氏が投資対象の選定・管理の決定権を持つことが気がかりだ。さらに、米国の経済政策の不透明感は高まっている。トランプ氏が相手国に、より強硬に投資を迫る懸念があるだろう。
そうした見方もあり、同日、米ドルは売られた。今後の展開次第で、“米国売り”は再燃するかもしれない。わが国をはじめ世界の経済が、トランプリスクに振り回される時期が続きそうだ。







