同書より
漫画編集者の仕事と聞くと、原稿のチェックやダメ出しをする役割を思い浮かべる人は多いだろう。しかし、実際は作家の内面に深く入り込んでいく仕事だという。編集者のアドバイスによって開眼した漫画家の吉本ユータヌキが、自身の経験をもとに、漫画編集者のリアルな役割を語る。※本稿は、漫画家の吉本ユータヌキ『「漫画家やめたい」と追い込まれた心が雑談で救われていく1年間』(集英社インターナショナル)の一部を抜粋・編集したものです。
漫画編集者の仕事は
作家の心を見抜くこと
編集者の仕事は少しでも漫画を良くしていくことで、指摘や気になることがあれば伝えるのは当たり前。指摘が善意であることはわかるんです。
でも、ぼくは「お前はほんまあかんなぁ」「物分かりの悪いやつだな」って思われてるんじゃないか、いつか「もうお前とはやってられるか」と見放されてしまうかもしれない、と怯えていました。
そんな状況が続いていくうちに、ぼくはなにを描いても楽しさを感じられなくなり、自分で納得できるものが描けなくなっていました。提出期限があるから間に合わせる。ただそれだけで描いていました。
同書より転載
そして、ある日の打ち合わせで担当の編集者さんから「編集者の答えを描くんじゃないよ」と指摘を受けました。
一瞬、バカにされてるのかと思いました。だって「あなたが指摘するから、その通りに直し続けてきたのに……」そう心の中で言い返しました。
その数ヵ月後に、公認心理師の中山さんに話を聞いてもらって“否定されること”への認識が変わって、気づいたんです(編集部注/筆者の吉本ユータヌキ氏は、「漫画家やめたい」と悩み、中山氏のコーチングを受けていた)。







