最短で結果を出せる人の思考

 対して、最短で結果を出せる人は、無駄なことは一切しません。それは目的を見失っていないからです。

 たとえば、営業の場合は営業件数を気にするのではなく、営業成約率や営業単価などの指標を重視します。この意識で仕事をしていれば自然と力がついてくるのは当然のことでしょう。

 これまで、たくさんのお笑い芸人を見てきましたが、売れる人は全員これに近い感覚を持っています。代表どころで言うと、お笑いコンビ「天竺鼠」の川原くんですが、彼はNSC(お笑い養成所)時代から唯一と言っていいほど、我々講師の使い方が特殊でした。

 どう特殊かというと、我々を「自分のネタがどこまで理解されるのか」の線引きに使っているのです。ぶっ飛んだネタが好きな川原くんですが、ギリギリお客さんに理解されるボーダーラインを探るために、あえて尖ったことをしたりして、どこまでなら笑ってもらえるのか常に考えていました。

 なので毎回私も「それはやりすぎ」「ギリギリいける」などと言っていた記憶があります。

 NSCの授業だと誰もが、私たちの評価を気にするなかで、彼だけはお客さんのことだけを考えていたように思います。今の活躍も納得です。

 目的を見失うと、どんな努力も無駄になってしまいます。ぜひ頭の片隅に入れておいていただけますと幸いです。