米国は今夏、猛暑に見舞われたが、ここ2年の暖冬で積み上がった天然ガスの余剰在庫を解消するには不十分だった。今冬も気温が十分に下がらなければ、生産者にとっては再びつらい季節となりそうだ。ヘンリー・ハブ天然ガス先物の期近物は、年初からの平均価格が100万BTU(英国熱量単位)当たり2.19ドルで推移。これは同期間としては新型コロナウイルス禍で需要ショックが起きた2020年以来の低さだ。米エネルギー情報局(EIA)によると、8月渡し物のスポット価格は1998年以来の低水準だった。EBWアナリティクスのエネルギー担当アナリスト、イーライ・ルビン氏は、「市場は2024年を通してずっと供給過剰だ」と指摘した。