想像力のない「自己中な大人」なぜ増加?決定的に欠けている「たった1つの習慣」Photo:PIXTA

昨今のニュースを見ていると、他人に対して想像力を働かせることができない「モラルの欠如した大人」が増えていると感じます。なぜ「自分さえよければよい」という思考になってしまうのか。わたしは、「考える習慣」がないことが背景にあると考えます。(作家・ファンセールスコンサルタント 和田裕美)

他人の迷惑を想像できない
モラルに欠ける人が増えている

 近年、エンターテインメントと迷惑行為の違いが分からない「モラルに欠ける人」が増えていますよね。YouTubeの閲覧数を増やしたいがために躍起になってバイトテロのような迷惑行為を発信したり、東京都知事選挙の掲示板では「表現の自由」をうたって裸の女性のポスターを貼ってみたり……。

 注目を浴びたい!という気持ちは多くの人にあるものだと思いますが、人に迷惑をかけてまでその欲求を満たしたい人たちのことを、わたしはどうしても理解できません。もう「性善説」を信じて生きていると、自分が傷つく世の中なのかもしれません。

 もちろん、知らないことを怖がってやらないより、ポジティブに何でもやってみることは絶対大事です。勇気ある行動ができる人をわたしは尊敬しているし、支持もしています。

 しかし、迷惑行為はそれとは違う。「これは誰かに迷惑をかけてしまう」「損害が出るかもしれない」、そしていずれは「自分にとってマイナスになる」というちょっと先のことが想像できないのはとても怖いことだと思います。

「普通はしない」「常識の範疇(はんちゅう)」という認識のボーダーラインがかなりあいまいになってしまっているのは、そこでは“別人”になれるというインターネット上ならではの匿名性という特徴も影響しているのだと思います。