フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える

前回試乗して、その乗り心地の良さ、スムーズさに驚いたメルセデス・ベンツのEV(電気自動車)「EQS」。「Sクラス」のEV版といったポジションのクルマである。しかし先日、「EQSの名は1代限りでなくなる」という驚きのニュースが飛び込んできた。最近試乗したさまざまなEVの中でもナンバーワンの乗り心地をどうやって実現したのか。航続距離700kmとなれば東京ー新潟を往復する以上の距離だが、本当にそんなに長い距離を充電せずに走れるものなのか。……EQSの気になるポイントをとことん聞いた、メルセデス・ベンツのインタビューをお届けする。(コラムニスト フェルディナント・ヤマグチ)

サーフィンに最適な波を作り出すボート

 みなさまごきげんよう。

 フェルディナント・ヤマグチでございます。

 今週も明るく楽しくヨタ話からまいりましょう。

 BOTY(日本ボート・オブ・ザ・イヤー)選考委員の仕事で、アメリカ製のウェイクサーフィンに特化したトーイングボート、センチュリオンのFE22に試乗してまいりました。

騒音をブンブン撒き散らかして走るのは今どきハヤりません騒音をブンブンまき散らかして走るのは、今時ハヤりません。GM marine engineの優秀なエンジンと、独自の水中排気システムにより、驚くほど静かなフネであります Photo by Ferdinand Yamaguchi

 ウェイクサーフィンとは、ボートの引き波で強引にサーフィンをしてしまおうという、何ともアメリカ的なスポーツです。サーフィンをするのだから、波の大きさと形が重要になる。センチュリオンは、この波作りに特化したボートの専門メーカーで、今日試乗した船には、良い波を作るためにあえて船体を沈めるためのバラストタンクが7つも付いています。

快適な乗り心地と高い走行性能を両立させた船体形状快適な乗り心地と高い走行性能を両立させた船体形状。当日は風もなく、気持ちよく操船できました Photo by F.Y.

 せっかく山中湖まで来たのですから、ウェイクサーフィンも体験していきましょう。過去に何度か挑戦したことがあるのですが、最後までけん引ロープから手を放すことができませんでした。ヨタヨタと立つことはできるのですが、自力での滑走がうまく続けられないのです。

 それを話すと、同乗してくださった佐々木麗美先生から「大丈夫。私が必ず立たせます!」と頼もしいお言葉をいただきました。

佐々木麗美先生の模範滑走まずは佐々木麗美先生の模範滑走。上手過ぎ!これじゃ参考になりませんって……彼女は琵琶湖を拠点に世界で活躍するプロフェッショナルです Photo by F.Y.

 基本はつま先荷重。波から遅れそうになったら棒立ちに。進み過ぎたら姿勢を低く。行きたい方向に胸を向ける。言われた通りにしていると、あ~ら不思議。楽勝で滑れるではありませんか。

それっぽく乗れるようになりましたそれっぽく乗れるようになりました。これはあらゆるスポーツに共通することですが、エキスパートから教わるのが上達への近道です。麗美プロ、ありがとうございました Photo by F.Y.

日曜日は河口湖でトライアスロン

 日曜日は河口湖へ移動して、今度はトライアスロンです。サンポート高松では不甲斐ないタイムを出してしまったので、今回は気合を入れて走りました。

死にました……死にました……。練習不足は相変わらずですが、今回は気持ちよく走ることができました Photo by F.Y.

 ということで本編へとまいりましょう。

 世界トップクラスの航続距離を誇る、メルセデスの高級電気自動車「EQS」のインポーターインタビューです。