「アウトプット」で現実が変わる

 人間の悩みのほとんどは、対人関係、コミュニケーションの悩み、社会生活の悩みです。つまり、他者に対する悩みを家にこもって悩んでも、解決することは不可能です。

 人間の悩みは、行動しながら、解決していくもの。だから、「インプットの世界」の住人で、情報だけ集めて悶々としていても、絶対に何も変わりません

 まずは、動くこと、行動することです。次の3つを実行するようにしましょう。

(1)話す
「相談する」「カウンセリング」というのも「話す」ことです。「バカヤロー!」と大声で叫べば、スカッとしてストレス解消になります。友達とのおしゃべりでも、ストレス発散できます。さらに、雑談によって人間関係を深めることができますし、適切な「質問」で速やかに問題解決に導かれることもあるでしょう。

(2)書く
「書く」というのは、さらに強烈なアウトプットです。自分の悩みを書き出すだけで、ストレスが吐き出されます。また、頭の中が整理され、悩みが明確化します。毎日、日記をつけることで、自己洞察力が鍛えられます。書くことで脳内が整理され、自己洞察が深まり、間違った考え方や不適切な感情に気づき、修正する手がかりを得ます。

(3)体を動かす
 もし、どうしても強い不安があるのなら、今すぐ外に出て、100メートルを全力疾走してください。かなりスッキリするはずです。不安というのは、「何かをしなさい!」というエネルギーなので、全力で何かに取り組めば軽減、解消するのです。
 その最も良い例が、「運動」です。運動をすればセロトニンが活性化し、ノルアドレナリンを正常化したり、脳内を鎮静し、リラックスさせ、ネガティブな感情を消し去ってくれます。

 以上、不安があるならば、まず「行動」することです。

 悩みは、誰しもが持っているのが普通です。その悩みに対する解消法を知り、ストレスが減れば、人生が楽に生きられるようになるのは間違いありません。そうやって、ストレスフリーな生き方を目指していきましょう。

樺沢紫苑(かばさわ・しおん)
精神科医、作家
1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。
30万部を突破した『精神科医が教える ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)のほか、大ベストセラーとなった『学びを結果に変えるアウトプット大全』『学び効率が最大化するインプット大全』(サンクチュアリ出版)など、40冊以上の著書がある。

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