その結果、前糖尿病の診断の記録がある人(43.3%)の脳年齢は、実際の年齢よりも平均0.5歳高齢と判定された。また、糖尿病患者(3.7%)の脳は、平均2.3歳高齢であった。

 さらに、HbA1c(※)で層別化すると、HbA1c8%以上でコントロール不良の患者では平均4.2歳高齢と判定された。その一方、HbA1c7%未満でコントロール良好な患者の脳年齢は、1.7歳の差にとどまっていた。HbA1c7%以上8%未満の人の脳年齢の差は2.5歳だった。なお、糖尿病患者のうち男性や心血管代謝リスク因子を二つ以上持っている人は、脳年齢と実年齢との差がより顕著だった。

喫煙・飲酒習慣のない人の脳年齢は?

 他方、この研究では、身体的に活発で喫煙・飲酒習慣のない人は、脳年齢が若いことも明らかになった。その差は、糖尿病や前糖尿病でない群(P<0.001)と、糖尿病患者群(P=0.003)で有意であった。前糖尿病群については、生活習慣による脳年齢の差が有意ではなかった(P=0.110)。

 Dove氏はカロリンスカ研究所発のリリースの中で、「2型糖尿病の有病率は高く、さらに増加傾向にある。われわれの研究結果が、糖尿病や前糖尿病の人々の認知機能障害や認知症の予防に役立つことを願っている」と述べている。(HealthDay News 2024年8月28日)

※赤血球の中にある色素・ヘモグロビンのうち、どのくらいの割合が糖と結合しているかを示す値

https://www.healthday.com/health-news/diabetes/diabetes-can-age-your-brain-but-lifestyle-change-can-reverse-that

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