定年後に決定的な“幸せ格差”を生む「セカンドライフ準備」の良し悪しとは?賢い人は次の仕事をこう選ぶ「定年後も働き続けなければ……」多くのシニアが焦燥感に駆られるのはなぜか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

定年後の仕事に悩む人は多いもの。「65歳以上になると30通も応募したけど不合格だった」「オフィスワークなら何でもいいから仕事したいけど、ありつけない」「体力がないから、立ち仕事ができなくなった」など、人それぞれです。定年後は多くの人が「寂しさ」から新しい仕事を見つけ、社会で働くことを続けようとします。しかし、高齢になってから合わない仕事を選ぶと、ストレスが高まるだけ。果たしてあなたが探すべき職種、居場所はどこなのでしょうか。(生活経済ジャーナリスト 柏木理佳)

定年後に仕事をするのと
しないのとではどちらが幸せ?

 定年を迎えている人は「この世の終わり」といわんばかりにガックリ肩を落としているようにも見えますが、よくよく本人に話を聞いてみると「気楽になった」「肩の荷が下りて自由になった」などと、精神的に余裕ができたと話す人が多いものです。他人が心配しているよりも、本人たちはリラックスして自由気ままさを楽しんでいるようです。

 とはいえ、定年後も「働いているほうが幸せ」と思い込み、必死で仕事を探している人は少なくありません。ただ、定年後も働くことで「幸福度」が上がるとは、必ずしも言えません。なぜなら、本当の幸せは仕事そのものにはないからです。

 米ハーバード大学の研究では、定年後は長期間勤務していた職場に未練があり、恋しさを感じる人が多くいるが、それは決して「仕事内容」ではなく、一緒に働いていた仲間との友人関係であると指摘されています。働いているときは、多くのノルマやプレッシャーなどで、その人間関係に気づきにくいけれども、辞めてみるとその関係が重要であったと改めて感じるようです。

 同じく同大学の研究では、定年後により多くの人と知り合い、人間関係を拡大できている人ほど、その「幸福度」は高いと指摘されています。確かに筆者の周囲を見ても、定年後にイキイキとしている人は、これまでの職場でつながった人間関係だけでなく、様々なパーティや食事会などにも参加して新しい人脈を広げています。