話していて気持ちのいい人がコミュ力の高い人

 おしゃべりでなくともコミュニケーション能力の高い人は、この点をよく理解しています。先ほどのような会話でも、自分が話す気持ちよさではなく、相手に気持ちよくなってもらうことを自然と意識できるのです。

 そのため、上手に聞き役に回り、時折ちょっとした質問も挟みながら相手と会話をします。すると相手は話ができる気持ちよさもありつつ、ほどよく話の深掘りもされるため、その人といるのが心地よくなってくるのです。

 皆さんご存じの明石家さんまさんは、「おしゃべり」がすごいと思われがちですが、実はこういった気配りがずば抜けてできる人です。

 どんな番組でも、ゲスト全員が会話に混ざれるようアンテナを張り、ほどよく話を振りながら楽しいと思わせる、そのプロなのです。

 皆さんも、もし自分がさんまさんの番組に出たらと想像したら緊張しますよね。私も同じです。ですが、さんまさんはそういった緊張をほぐすためにもツッコミを入れて、「安心して大丈夫だよ」というのを自然と伝えます。実際、あのような大御所からツッコミを受けたら嬉しい気持ちになるでしょうし、話を聞いてもらえる喜びも湧いてくるでしょう。そうやって少しずつ会話を弾ませていくのです。

 少しお笑いの話になってしまいましたが、これはビジネスの世界でも同じです。何気ないやり取りでコミュニケーション能力の高い人は、話す力よりも話させる力が高いです。コミュニケーションに悩みのある人は、頭の片隅に入れておいていただけますと幸いです。